①10%以上の賃上げ

近年、最低賃金の50円以上の引き上げが続いており、それに伴ってパートやアルバイトの賃上げがなされています。しかし、それだけでは物価高騰に追いつかず、また実質賃金のアップや正規非正規の格差是正にはつながりません。

ですから、私たちは、昨年に引き続き、10%以上の賃上げを統一要求として掲げます。「以上」としているのは、10%の賃上げでも足りないケースが多くあるためです。時給1000円で働く労働者が10%賃上げされても時給1100円であり、フルタイムで働いても総支給19万円程度にしかなりません。そのため、生活できる賃金を目指して、積極的に20%、25%などの賃上げ要求を行っていく方針です。実際、少数ではありますが、24春闘では10%以上の賃上げを勝ち取った職場もあります。

 

②年収の壁を超える大幅賃上げを

最低賃金の引き上げや春闘での賃上げにより、「年収の壁」を意識して労働時間を抑制する労働者も増えています。これにより、賃上げが手取りの増加につながらないという問題や、“働けるのに働けない”といった問題を引き起こしています。実際、賃上げを議題とする労使交渉において、賃上げすると扶養内で働く人たちが「年収の壁」のためにシフトに入る時間を減らし、人手不足を招くとして、賃上げを拒否する会社も少なくありません。

 「年収の壁」を理由に賃上げを拒否することは本末転倒であり、容認できるものではありません。国も「年収の壁・支援強化パッケージ」などを用意し、賃上げ等により社会保険の適用を進めた企業への助成金を設けるなどして、「年収の壁」を理由に賃上げを抑制するのではなく、「年収の壁」超える賃上げを行うよう推奨しています。

 私たちは、大幅賃上げにより手取りを減らすことなく「年収の壁」を乗り越えることを目指します。

 

③エッセンシャルワーカーの大幅賃上げ=ケア、物流、公務非正規などの低賃金構造の打開

 ケア、物流、公務などでエッセンシャルワーカーとして働く非正規労働者の多くは、低賃金に抑えられ、正社員との賃金格差も大きなものとなっています。しかし、こうした業種における春闘での賃上げ事例は多くありません。社会を支える責任・公共性のある仕事に対して、正当な賃金を求める運動を新たに展開します。

 非正規公務員(会計年度任用職員)については、最低賃金すれすれの低賃金と不安定な有期雇用にもかかわらず、労働三権に制約がかけられており、ストライキ権が保障されていないという極めて不当な状況にあります。公務員は人事院勧告にもとづいて賃金が決まる慣行がありますが、非正規公務員の賃上げは待ったなしの課題であり、労働組合の運動で実現すべきものです。そこで、非正規春闘の運動を公務非正規の分野にまで拡大し、民間・公務の両輪での賃上げを目指します。

 

④正規・非正規の均等待遇(同一価値労働同一賃金)

 もとより低賃金・差別賃金に抑えられている非正規雇用労働者については、インフレ対応(実質賃金の維持)にとどまらず、実質賃金の大幅な増加を求めていく必要があります。正規と非正規の賃金格差を前提として今よりも少し高い賃金を求めるのではなく、正規・非正規の均等待遇(同一価値労働同一賃金)を強く求めていきます。

 

⑤全国一律最低賃金1500円の即時実現

 石破首相は2020年代に最低賃金1500円を実現することを目標とするとしていますが、不十分な目標です。現状の最低賃金水準ではフルタイムで働いても貧困に陥ってしまいます。民間の生計費調査によれば、時給1500円でフルタイムで働いてようやく最低生計費に達します。ただちに、全国一律最低賃金1500円を実現することで、非正規雇用労働者をはじめとする低賃金労働者の賃金水準の底上げをすべきです。

 

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